世界はフェイクニュースの蔓延を止められるのか
「フェイク・ニュース」が世界的に問題となっている。米国では2016年の大統領選挙においてニュースサイトが乱立し、日本においても、キュレーションサイトの情報信頼性、災害時のデマ拡散などが問題となっている。また、AIによる動画処理技術を利用すれば、起きていないことを、あたかも起こったかのように演出することも可能になってくる。例えば、「金正恩氏がアメリカに核攻撃を宣言する動画」が、本物と判別できないレベルで捏造されたとすれば、社会情勢の混乱は必至だろう。
このような状況に対し、世界はどのように対処しようとしているのか。まずは、大統領選において、フェイクニュースの拡散に加担したとして非難された、主要SNSについて見てみよう。
検索品質評価者ガイドラインの改善や検索アルゴリズムの変更などをフェイクニュース対策として発表。また、ファクトチェックを専門にしているサイトや機関と協力し、そのページの信ぴょう性を確認できるタグを設置。
虚偽と疑われる記事をユーザーが報告すると、AP通信やFaceCheck.org、Politifactなどのファクトチェッカーが記事の信ぴょう性を評価。虚偽だと判断された場合、それをシェアしようとした際に警告メッセージが表示されるようになる。また、フェイクニュースとみられる投稿への広告配信を停止することも明らかにした。
Twitter
信捏造されている可能性があるツイートをユーザーが報告出来るシステムを開発。
また、ドイツを始め、世界各国でフェイクニュースに対抗する動きが見られている。
ドイツ
2018年から、ソーシャルメディアにヘイトスピーチ(憎悪表現)やフェイクニュース、違法コンテンツの速やかな削除を義務付ける新法が施行される。明らかに違法な投稿を24時間以内に削除しないサイトは、最大5000万ユーロ(約68億円)の罰金を科せられる可能性がある。規制の対象は、利用者200万人超のSNSとメディア企業である。
フランス
マクロン大統領が、2018年1月に、フェイクニュース対策のため年内にメディア法を改正する方針を示した。
オランダ
Googleなどの支援のもと、オランダの民間企業(DUIC ,DIG,Milvum)が、ファクトチェックに関するブロックチェーン基盤を構築する研究プロジェクトを開始。
韓国
2014年から、フェイクニュースを判別するための共同研究をソウル大学などが実施している。研究から約3年半で、世界5000万のツイッターユーザーが生産した20億のメッセージや20億のフォローリンクを分析し、フェイクニュースのパターンをモデル化。過去のフェイクニュースを検証したところ、90%の精度で「嘘」であることを見抜くことに成功した。
日本
2017年6月、NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が設立され、10月の衆院選において、事実かどうか疑いのある情報についてファクトチェックを行い、発表した。
フェイクニュースの問題は依然として解決していない。我々は今後、この問題と、長い時間をかけて戦っていかねばならない。
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