ファンクラブ乱立時代に? 広まるクリエイター支援サービス

映画制作などのプロジェクトに投資し支援する「クラウドファンディング」。

一方、プロジェクトの代わりに、イラストレーターやYou Tuberなど、個々のクリエイターの日々の活動を月会費を払う形で支援し、制作過程や独占音声公開などの特典を得る、まるでファンクラブのようなサービスが欧米で広まっていることをご存知だろうか。

サービスの名前は「Patreon」。

アマチュアクリエイターが誰でも自分のページを開設し、ファン(パトロン)から月額1ドルからの好きな設定金額を月会費として受け取り、自らの活動成果として還元できるサービスだ。


Patreonのユーザー動向を調査しているサイト「Graphtreon」によると、2018年3月現在少なくとも一人のパトロンを持つPatreonユーザーの数は約10万5千人。年間15万ドル以上をPatreonの月会費で稼いでいるトップクリエイターも40人ほど存在する。


米国では他に有名クラウドファンディングサイト、「Kickstarter」が昨年11月にPatreonと同形式の月額購読型クリエイター支援サイト「Drip」を開始、自社の新サービスとして今年前半にも本格展開してゆく方針を示した。

現在Dripは運営元から招待されたクリエイターのみ自分のページを開設できる仕様だが、これがより幅広いクリエイターに提供されれば、Patreonの手強い競合となりうる。


日本でもPatreonに類似したクリエイター支援サービスがいくつか生まれている。

一つはイラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブ株式会社が同サービスのユーザー向けに提供している「pixiv fanbox」、もう一つが同人誌販売店の株式会社虎の穴が運営する「ファンティア[Fantia]」である。

pixiv fanboxはこれまで、前述のDripと同様に、運営元から招待された一部のクリエイターにしかページ開設が認められておらず、また月額一律の定期購読料しか設けることができない、過去の特典をバックナンバーとしてまとめて購入できるなど独自の仕様を採用していたが、今年4月1日を機にサービスをリニューアル。

複数の支援プランに対応し、バックナンバー制度を廃止するなど、よりpatreonに近い内容へ改定し、4月末には誰でもfanboxを開設できるようにする。


一方のファンティア[fantia]は現在誰でもファンクラブの開設が可能だが、pixiv fanboxと入れ違いにバックナンバー制度を取り入れるなど、現在の登録クリエイターらの声を反映して、よりユーザー好みのサービスを展開してゆくという。


元々欧米圏ではサブカル系アーティストへの支援文化があった。

例えばニューヨーク・コミコンをはじめとした、コミックファンが集まるコンベンションでは、クリエイターに10ドル〜50ドルほどを支払い、その場で絵を描いてもらうcomissionという文化がある。

一方日本では、同様のコンベンションでアーティストに絵を描いてもらえる「スケブ(スケッチブックの略に由来)」が無料で行われるなど、アマチュアクリエイターとファンとの金銭的支援意識に欧米と差がある。

そうした文化の違いの中でも、pixiv fanboxやファンティア[Fantia]、あるいは本家patreonが、クリエイター支援サービスとして日本でも広まっていくのか、今後も注目である。


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