中国企業のハリウッド買収を止めた「大きな力」の正体

圧倒的な資本力によって、ハリウッドにおいて存在感を増し続けてきた中国。しかし2017年、ある理由により、その流れが大きく変わったのだった。そのあたりの動きを俯瞰してみよう。

まず前提として、ハリウッドにおける中国の存在感は非常に大きい。

市場規模において、2012年に日本を抜き2位になり、2016年にはスクリーン数において米国までもを上回った。2016年の市場規模は、1位アメリカ(114億ドル)、2位中国(66億ドル)、3位日本(20億ドル)4位インド(19億ドル)、5位イギリス(17億ドル)、6位フランス(16億ドル)というようになっている。

また、2015年~2017年にかけて、中国メディア企業による米スタジオへの巨額出資や買収が相次ぎ、話題になった。

まず、アリババは、2015年に『ミッションインポッシブル/ローグ・ネイション』に投資。2016年10月には、アンブリン・ピクチャーズ(スティーブン・スピルバーグ)との間に、共同制作,共同出資契約を結んだ。


また、不動産大手の大連万達(ワンダ)グループは、2012年に米第2の大手映画館チェーン、AMCエンターテインメントを26億ドルで買収し、世界最大規模の映画館チェーンを抱える存在になり、2016年1月には、米のレジェンダリー・エンターテインメント(「ダークナイト」「GODZILA ゴジラ」など製作)を35億ドルで買収し、中国の企業としては初めてハリウッド映画製作会社のオーナーとなった。

そして同年秋、ワンダがディック・クラーク・プロダクションズ(DCP)を10億ドルで買収すると報じられた。DCPといえば、ゴールデングローブ賞の運営や製作に携わる、米エンタメ界を代表するテレビ製作会社である。しかし、この話が突如、中止となったのだ。

主な理由は、中国政府の圧力である。2016年の中国企業による米国への投資額は、前年比で3倍増の540億ドルとなっており、中国資本の海外流出を懸念する中国政府が規制を強めているのである。

こうした動きはワンダだけではない。2016年11月にも、映画会社の上海電影集団(上影),華樺伝媒(Huahua Media)が、米大手映画会社のパラマウント・ピクチャーズと10億ドルの出資契約を取り付けたが、2017年に契約が白紙撤回されたのだ。

Googleにて「ハリウッド 中国」で検索すると、次の予測ワードには「媚び」が現れる。最近のハリウッド映画は中国に媚びた内容になっている、という主張がネット上にて展開されているのだ。エンタメにとって、資金源の問題は切り離せない問題だ。加熱していた買収が収まったとはいえ、依然として中国は巨大な市場である。今後もその一挙手一投足が、エンタメ業界に大きな影響を及ぼすであろう。



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