書籍とWebの規格が統合。電子書籍は次のステージへ

Webサイトと電子書籍の境界が曖昧になりつつある。昨年、出版業界の方向性を左右する世界的な決定がくだされたのをご存知だろうか?

それは、HTMLとEPUBの融合である。

2017年2月、W3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)とIDPF(国際デジタル出版フォーラム)が統合契約を締結し、出版とウェブ技術を融合するという将来展望を掲げたのだ。

W3Cといえば、HTML、CSS、XMLなどのウェブ技術の根幹を策定する世界的な標準化組織である。

IDPFは、電子書籍と電子出版をグローバルに流通させる電子書籍ファイルフォーマット規格(EPUB)を開発してきた。

この統合により、EPUBはW3Cの商標となり、IDPFは会員組織としての活動を停止した。

これまでの電子書籍は紙の出版物を模倣する形式が多かったが、デジタル環境での表現方法と融合されることで新たな形式に進化するのだ。新標準の仕様策定は今後3年間でおこなわれていくようだが、現段階では、次のような特徴が分かっている。

  • オンラインでもオフラインでもシームレスに読める
  • Webブラウザで読むことができる
  • リンクをクリックせずとも、複数の章を連続して読むことができる
  • 目次によるナビゲーション機能が標準で備わる
  • Web的なスクロール形式と書籍的なページめくり形式のどちらでも読める
  • Web出版物内の検索、ハイライト、注釈機能

ここまで来ると、もはや「書籍」と呼んでいいのか分からなくなる。時代の変化により、境界が曖昧になりつつあるのだ。

W3Cのカンファレンス「PUBLISHING SUMMIT 2017」において、登壇者の一人、Tim O'Reillyは、出版とは何かを考え直す時だと訴えた。技術革新によって従来の枠組みが崩れつつある今、既存の価値観は通用しなくなっていく。Tim氏は出版を「人と知をつなぐこと」と再定義した。

我々は改めて、出版というものの意味を再定義する時が来たのかもしれない。


 サクラス株式会社は、IT×エンタメ領域の戦略支援を得意としています。

 こちらからお気軽にお問い合わせください。

SAKURAS(サクラス株式会社)

エンタメ企業のデジタルメディア戦略を支援しています。

0コメント

  • 1000 / 1000