音楽業界の命綱・ライブビジネスが嵌ったアナログすぎる落とし穴

音楽のCDが売れなくなって久しいが、音楽業界は新たに、成長の柱を二つ発見した。「配信サービス」と「コンサート」である。しかし2016年、コンサートの市場規模が前年を下回る事態となった。その原因となったのが、「2016年問題」と呼ばれる、大規模会場の不足問題である。


音楽コンサートの市場規模は、2012年から2015年まで、右肩上がりで成長してきた。

2006年から2011年までは横ばいだったが(1,527億円→1,634億円)、2012年に1,916億円まで急増し、2015年には3,405億円にまで到達したのだ。同時に、音楽パッケージの市場規模(CD,DVD:3,208億円)を初めて上回った。

しかし2016年には3,372億円と、前年を下回った。この原因として挙げられるのが、大規模会場の不足、通称「2016年問題」なのである。

「2016年問題」とは、首都圏を中心に、大規模会場の改修・建て替えの時期が2016年付近集中するという問題であり、原因は主に3つある。

  1. 東日本大震災を受け、耐震構造の強化需要が増えた
  2. バブル期の建物が老朽化した
  3. 2020年に東京オリンピックが開催されることになった

芸能プロダクションやレコード会社は2014年以前からこの問題を認識しており、対策として、「小規模公演を増やす」「平日公演を増やす」といった施策を打ってきた。

その結果、2016年のコンサートの開催数は前年より14%増加したが、大規模会場の不足が響き、動員人数は4.1%減少。結局、市場規模は33億円(1%)の減少となってしまったのだった。

この問題は現在も解決していない上に、今後も、全国各地で起こる問題だとされている。チケットの高額転売問題と共に、コンサート市場にとっては解決すべき課題である。

だが見方を変えると、チャンスでもある。場所の供給が減少しているのに対し、需要は増加しているからである。例えば、場所を複製できるライブビューイングや、場所を問わないVRライブなどは、代替手段として需要が高まりそうだ。新たなビジネスのチャンスが、ここにもある。


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参考文献:2017 ライブ・エンタテインメント白書

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